DVDマラソンの9本目は、寝て見れるアクション枠で「ナショナル・トレジャー2 リンカーン暗殺者の日記」。
10本借りましたが、1本は傷で再生できなかったのでこれが最後。
・YouTube - ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記
主人公ベン・ゲイツの先祖にリンカーン暗殺の首謀者の疑いがかかり、名誉を回復するために(なぜか)失われた黄金の都を探す、という解説もいらない物語。
あっさり観るにはこういう映画がいいですね。
返却出来たのが開店30分前でギリギリセーフ。
もっと余裕持って観たかったなあ、というのが全体を通した反省です。
DVDマラソン8本目は「おくりびと」。
・YouTube - 映画「おくりびと」"Okuribito" HD Trailer 1
死を日本人らしい視点でユーモラスに温かく描いた名作。
アカデミー外国語映画賞、日本アカデミー賞最優秀作品賞というそうそうたる肩書も納得でした。
ここ10年ほどは身内や知人の死にあっていないので、どこか遠くに感じてましたが、すぐそこにあるものだし、また怖がるものでも忌むものでもないのだと教えられた気がします。
返却までのタイムリミットがもう数時間なので、この辺で。
DVDマラソンの7本目は「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」。
フルメタルジャケットなどでお馴染みのスタンリー・キューブリック監督の最後の白黒作品です。
当然公式サイトなどはなく、予告編も英語版しか見つかりませんでした。
・YouTube - Dr Strangelove Original Theatrical Trailer (予告編)
・博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか - Wikipedia
気がふれた空軍基地司令官がソ連攻撃作戦を発動してしまい、核爆弾を積んだ爆撃機がソ連へ侵攻。
それに対応すべく国防総省で緊急会議を開き、作戦を中止し世界戦争だけは避けようと躍起になる大統領だが、どこかのんきなソ連首相、これを機に報復もできないぐらいにソ連を攻撃すべきと妙に元気な将軍、人類滅亡の危機にも盗撮に励むソ連大使と、まとまる気配は全くなし。
さらには、ソ連には攻撃されると自動的に発動する「皆殺し」装置がすでに配備されていることが分かり、混乱する一方の会議。
その間にも爆撃機B-25は着々と攻撃目標に近づき、核爆弾投下の準備を進めていたのだった…
1960年代と言えばまさに冷戦真っただ中。
その時代に人類滅亡の恐怖をユーモアで、それも相当に黒いユーモアで描ききった狂気の傑作です。
三役も演じたピーター・セラーズだけでなく、みんながみんな素晴らしい怪演ぶりなもんだから、おかしすぎる状況なのに緊迫感が漂って、またそれが可笑しい。
1時間半ほどですが、疲れはそれ以上。とても濃密です。
さすがキューブリック監督、美しいだけでなく強烈なメッセージを芸術的に映像にするという、言葉だけではとても伝わらない魅力がこの映画には詰まってます。
映画好きなら外せない作品。大ヒット作品は好みじゃないな、と少しひねくれたあなたにもおススメします!(笑)
それにしてもタイトルが長い。しかも変。
ちゃんと理由はあって、キューブリック監督のせいで、海外での題名は原題か直訳のみという制約があったから。
原題の「Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb」の「Dr. Strangelove」は映画に登場する博士の名前なので、そのまま訳すなら「ストレンジラブ博士」になりますが、これでは受けないと思った配給会社が直訳という制約を逆手にとって「博士の異常な愛情」としたのだそうです。
誤訳だという指摘もあるようですが、何だかよく分からない内容(笑)をかなり的確に表していますし、私は歴史に残る名邦題だと思います。
最近は唸らせてくれる邦題がめっきり少なくなったのが寂しいですね。
仕事で一日空きましたが、DVDマラソン6本目は「ゴーストワールド」。
不改氏の一押し作品で、知人推薦・洋画枠でチョイスしました。
(今回推薦ものが多いのはレンタル店で探す時間が短かったせいです…)
・YouTube - ゴースト・ワールド (英語版の予告編)
(日本語版が見つからず…公式サイトでも予告編は見られませんでした)
・YouTube - Jaan Pehechaan Ho (オープニング曲、インド映画「GUMNAAM」の一シーンらしいです)
「ダメに生きる」というキャッチコピーから私への当てつけかとも思いましたが(笑)、とんでもない、青春映画として傑出した作品でした。
物語は、大の仲良しの女の子二人組、イーニドとレベッカが高校の卒業式を迎えるところから始まります。
卒業後は一緒に住もうと決めていた二人ですが、就職するなど結構普通に堅実なレベッカに対して、とにかくいい加減なイーニド。
しかし「いい加減」というのは大人の視線からの言葉であって、その自分の価値観に忠実に行動するイーニドは、同年代の自分から見れば間違いなく「カッコイイ」。
その感じ方の矛盾が、とても辛くて痛いのです。
イーニドに共感する自分がいて、それを絶対認めたくない自分もいて、でも私は共感する自分を受け入れるしかないのだと、何だか敗北した気分です。
カッコ悪い行き方なんてしたくないし、自分はちょっと特別だから、他の人にできないことができて、他の人と違う道で生きていけるんだ…なんとなくそう思いながら、具体的なことは何も考えず努力しない(本人はしてるつもりなんだけど)。
その日にやりたいと思うことをやり、やりたくないことはしないのが一番いい選択と信じて動いて、結果的に自分には何も残らない。
誰も自分を分かってくれない。
結局は自分の選択と行動が自分に返ってきてるだけなんだけど、それが見えないし、何となく感じても認めたくない。
…
学生時代に持っていた根拠のない自信と不安を、これでもかと見せつけてくれます。
自信満々に空気読まないイーニドも、因果応報を認めようとするイーニドもどっちも見ててほんとに辛い。
笑える描写はかなりありますが、昔の自分を見せつけられているようで笑えない(苦笑)。
そしてラストは青春映画とは思えない、全く盛り上がりもなく突然の終幕。
イーニドの選択を淡々と描いて終わります。
言葉を失うラストシーンでした。
面白い映画かと言われると、返事に困りますねこれ。
友人ほどの絶賛はできませんが、他にはない魅力を持った映画で一見の価値は十分にあると思います。
ヒロイン二人の乳がでかくて妙に気になるから、とかは関係ないですよもちろん。
私がいわゆる普通の大人になってたら、この映画でこんなに複雑な思いをすることはなかったのかもしれません。。。
それだけ強い感情を呼び起こすのですから、映画ってやっぱりすごいですね。
DVDマラソン中ですが、今日でワーナーマイカル桑名での上映が終わってしまう「NINE」を鑑賞してきました。
最初はそれほど順位の高くない映画でしたが、ラジオから流れた"Cinema Italiano"(予告編でも流れてます)にハートを打ち抜かれ、絶対に映画館で観る!と誓ったのでした。
・YouTube - 映画『NINE』予告編 (歌は"Cinema Italiano")
・YouTube - Nine - Official Trailer [HD] (英語の予告編、歌は"Be Italian")
・YouTube - 'Nine' Trailer 2 HD (英語予告編、日本語版の基、歌は"Cinema Italiano")
天才監督グイドは苦しんでいた。
クランクイン目前と言うのに、脚本の1ページ目どころか最初の1ワードさえ浮かんでこないのだ。
その苦悩から逃れるように、これまでかかわってきた女たちとの世界に逃避するグイド。
果たして映画は完成するのだろうか…
いきなりしょっぱなから女優陣が下着姿のダンスを総出で繰り広げてくれちゃってもう笑いが止まりませんでした。
(笑いと言っても笑えるとかではなく、圧倒的な映像に笑うしかないというやつです)
たっぷりなユーモアと惜しみないエロティック、そして豪華な音楽にダンスを楽しめる、まさに大人のためのエンターテインメントムービーです。
自分の顔から笑みが最初から最後まで消えなかった映画って今まであっただろうか。
ストーリーなんてあってないようなもの、と思ってたら、物語のポイントに歌とダンスが差し込まれていて、才能ある男が決意するラストはほころんだ顔のまま涙を浮かべてしまいました。
素晴らしい!エクセレント!
観客が私除いて1名ということで今回はかなり感情表現を抑えましたが、一人なら踊ってましたね、ほんと(笑)。